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こたつねこの勉強部屋

独学の記録。

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図書館情報資源論 レポート

司書 レポート

 設題 
電子図書館の必要性を延べるとともに、日本の公共図書館が今後どのような情報資源を収集し、電子図書館サービスを提供すべきなのかを論じなさい。

 

友達同士でレポートを見せ合い、議論することもできない通信教育。そんな中インターネットで公開されているレポートはとても参考になりました。その恩返しとして、学習の記録として、レポートを公開させていただきます。

※丸写し、転用、引用厳禁です。レポートは必ず自分の言葉で書いてください。

 

 

提出日 2015年4月29日
提出回数 1回

 

(1)まず、電子図書館の定義について考察する。テキストに引用されている『図書館情報学用語辞典』を参考にするならば、電子図書館とは、資料と情報を主にネットワークを介して提供し、従来の図書館が担ってきた情報処理の機能を更に高度化させた機関と理解することができる。現在電子図書館という用語は幅広く用いられているが、辞書によれば以下の要素が電子図書館の必要条件になるだろうという。「<1>電子図書の提供サービスだけではない。<2>全文データベースサービスだけではない。<3>単なるネットワーク情報資源の蓄積ではない。」(引用1)1994年に電子図書館のプロトタイプ「アリアドネ」が誕生したが、この発案者の一人長尾真氏によれば電子図書館の機能は送付資料1のように多岐に渡る。つまり電子図書館とはたんなる電子資料の集まりではなく、数あるネットワークと参考資料を柔軟に結びつけ利用者が求める情報にすばやく正確にたどり着けるシステムを構築する組織である。これはメディアが氾濫し、個人がその情報のあまりの膨大さにかえって必要な情報にたどり着くことが困難な今日、最も必要とされている機関といえる。
(2)次に公共図書館による電子出版物のこれまでの提供状況について述べる。
 電子出版物にはパッケージ系電子資料とオンライン系電子資料がある。パッケージ系には主にCD-ROM(現在ではDVD-ROMが多い)がある。図書館のCD-ROMの利用には、館外貸し出しができない、持ち込みパソコンでの使用が許可されていないなどいくつかの制限がある。またCD-ROMにはLAN利用が可能なものもあるが、利用には使用許諾料が別途必要になる。図書館のCD-ROMにはレファレンスツール判例・統計資料、美術館等の所蔵資料など多様な分野が存在し、これまで多くの図書館がCD-ROM閲覧専用端末を館内に設置してこれらの資料を提供してきた。しかしパッケージ系電子資料の問題点はCD-ROMの物理的な耐久性に加え、情報内容の陳腐化や新規OSへの適合性など多岐にわたる。そこで今日ではパッケージ系電子資料が次々とオンライン系電子資料に移行している。
 オンライン系電子資料には電子ジャーナル、デジタル雑誌、電子書籍がある。日本の図書館では大学図書館がオンライン系電子資料の取り扱いにおいて、中心的な役割を担ってきた。まず海外の電子ジャーナルを取り扱い、次に海外の電子書籍を収集・提供した。2006年に行われた調査では大学および高等専門学校図書館の半数が電子ジャーナルを提供している。
 一方で公共図書でのオンライン系電子資料の提供事例は少ない。2002年北海道・図書館が一括購入した電子書籍を館内のコンピュータ端末で閲覧できるサービスを導入したが、これはパッケージ形電子資料とさほどかわらないサービス内容であり現在では休止している。2005年奈良県生駒市図書館では閲覧専用端末の貸出しとともに電子書籍サービスを開始したが、これも現在では休止している。現在でもサービスを行っている図書館では「千代田web図書館」があげられ、貸出しされた本はPC,スマートフォンiosandroid)どちらからでも閲覧でき、2週間の貸出し期限が過ぎると端末から自動消去される仕組みをとっている。ただし、新刊書が次々と提供されるわけではなく、タイトル数の増加速度や利用件数などに課題が残る。
(3)では今後どのような電子図書館サービスを提供すべきなのか。
 現状では(1)で述べた電子図書館の定義を実現するには程遠いといわざるを得ない。
 まずタイトル数が圧倒的に少ないので「単なる電子出版物の正倉院」としての電子図書館ですら実現できていない。また、「アリアドネ」は書籍の全文検索機能を搭載することを構想していたが、出版物や著者との著作権問題から仮説のまま実現に至らなかった。今後電子図書館を構築するに当たって、著者や出版社の利害と対立しない形で電子資料のタイトル数を増やしていく方法を図書館が中心となって考察していく必要がある。
 公共図書館では青空文庫など民間の取り組みを見本に著作権の切れた著作物を積極的に収集していくべきである。また公共機関の利点を活かし、市や町の刊行物、各種制度のパンフレット等の電子化を進め、図書館にアクセスすることで公共の情報が手に入るように設備を整えていく。加えて博物館や文書館などに協力を呼びかけ、すでに公共に展示されている資料の電子化も進めていくことも必要だろう。
 簡易な貸出し、返却サービスの仕組みも検討すべき課題だ。「千代田web図書館」が行っているような、特殊な閲覧端末によらない貸出しサービス、自動的な返却システムも魅力的だ。今日では電子図書館を語る上でスマートフォンタブレット端末による利用を想定することは必須であろう。

 

引用1「図書館情報学用語辞典」電子図書館の項
https://kotobank.jp/dictonary/tosyokan/
添付資料1 長尾真著 『電子図書館 新装版』
岩波書店 P81 2010年
(スキャナで画像を取り込み、jpg形式で添付)

 

参考文献 
「千代田web図書館https://weblibrary-chiyoda.com/
長尾真著 『電子図書館 新装版』岩波書店 2010年
ハードカバーの新書って感じの本。すこし専門的だが、新書らしく読みやすい。全部は読みきれなかったので興味を引かれたところとレポートに関連する部分のみ読む。内容は現在にてらして少し古いと感じるところも。

講評とその他
(1)(2)(3)の見出しは文の形にしないほうが良いとのことでした。(3)は(2)を展開するような形で、と指摘がありましたが、構想段階でそのことに気がついたものの、(3)でいいたいことと(2)の内容がうまく結びつかず、結局この形に。参考HPを示すときはHPの内容が日々更新されることから確認した日付を入れるようにという注意あり。

★(2)の中の北海道図書館の名前が消えたまま提出してしまいました。