こたつねこの勉強部屋

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図書・図書館史 レポート

設問 日本または西洋のどちらかを選び、それぞれの時代(古代、中世、近世、近代以降)の図書館発展のとくちょうを骨太に要約し、かつ私見(400字以内)を述べてください。(私見を含めて2000時以内)

 

友達同士でレポートを見せ合い、議論することもできない通信教育。そんな中インターネットで公開されているレポートはとても参考になりました。その恩返しとして、学習の記録として、レポートを公開させていただきます。

※丸写し、転用、引用厳禁です。レポートは必ず自分の言葉で書いてください。


提出日 2015年2月28日

提出回数 1回

 

 

 日本の図書館の発展について要約、考察していく。
 朝鮮半島よりもたらされた儒教、仏教といった人々に普及すべき内容と紙などの材料がそろった結果、経典という形で日本でも本が製作されるようになった。特に曽我氏が物部氏との神仏抗争に勝ち、仏教の交流が盛んに行われるようになると、多くの書写された仏典文献を収納する安全な書庫が必要とされた。これを経蔵と呼ぶ。利用者は僧関係者に限られたが、資料を保存する図書館機能を有した資料の出発点といえる。
 政治的観点からいえば大化の改新以降、中国の律令制度を中心とした国づくりが目指される中で文書の役割が重要になったため、図書寮という国の政治文書保管庫が大宝律令により定められた。また図書寮は本を作る出版機能も有していた。

 平安時代に入ると貴族の中には私設文庫を設置するものも現れた。石上宅嗣芸亭と称する書斎を好学の徒に開放している(しかしこれは例外的なもので、他の貴族の文庫はほとんど非公開なものだった)。
 以上のように古代の図書館は仏教や儒学の書物を保管することに端を発した。重要な文章を保管する施設という役割が強く、関係者以外への公開は想定されなかったといえる。
 鎌倉・室町時代には政治の担い手が貴族から武士に移行し、軍記物や随筆といった文学作品が生まれ、武士や庶民に親しまれた。平安時代に貴族が私設文庫を設置したのと同様に、今度は武士が文庫を開くようになった。北条実時金沢文庫足利学校の文庫などがある。公開図書館ではなく、関係者による利用が主であった。政治や文字、儒教などの本が収集、閲覧されていた。
 出版の分野では宋からの影響で整版の印刷が盛んになった。出版地によって寺院版、地方版など様々な整版出版本が生まれた。安土桃山時代にはキリスト教伝播、朝鮮出兵の影響から活字技術が入ってきたものの、すぐに消滅してしまった。そのため製版の技術は明治になるまで日本の出版を長年支え続けた。
 中世になると、書物が仏教関係から広くジャンルを広げていったことが分かる。出版技術の発展から本の数も増大した。しかしやはり文庫は政治の中心である武士の所有である感が強い。
 近世に入ると、文化は政治を担うものだけでなく、下層庶民の間まで広範囲に広がった。
 江戸時代の図書館にはいくつか種類がある。
 まず政治の担い手である江戸幕府紅葉山文庫である。将軍のための文庫で当然一般公開はされていない。さらに家康は引退後駿河文庫を作ったが、この場所の本を御三家に譲った。御三家はこの本をもとに蓬左文庫、南葵文庫、彰考館文庫を設置した。他前田家などの大大名も文庫を所有した。他にも東山御文庫などの朝廷の文庫、教育施設に併設されたものもあった。
 これらの武士・朝廷関係の文庫に対し庶民の文庫が登場するのが江戸時代の特徴である。浅草文庫は江戸時代最初の公開図書館である。和漢の一般書を収容していた。また清柳館文庫は仙台藩の公費で運営されていたが、一般公開された上、貸し出しすることも可能であった。貸本屋も登場し、庶民に本を渡す重要な担い手になった。
 近代以降、明治には鎖国が解かれ外国の図書館を観察する機会が訪れた。市川清流、田中富士麻呂等は西欧の図書館に刺激され、政府に公立書籍館の設置を要求した。明治5年最初の官立図書館国立国会図書館の源流)、書籍館が誕生する。身分制度が撤廃されたことは革新的だが、貸し出しは不可能で閲覧料が必要だった。明治32年、地方や学校の図書館について定めた「図書館令」が成立したが、昭和8年に改正される際には中央図書館制度が導入され、図書館を国家が統制しやすいよう仕組みが整えられた。明治43年、小松原訓令により、図書館は簡易で「国にとって有益な」本だけを置くように機能が制限され、これによりほとんどの図書館が簡易図書館となった。
 戦後GHQの介入により図書館の整備が提言され、ここでようやく今日の民主的な図書館が日本に登場することになる。
 以上が日本における図書館発展の歴史である。朝鮮より伝来した仏教関連の書物の保管場所に端を発した日本の図書館が、明治には西欧の刺激を受け、また戦後はGHQの指導のもとに今日の形になったことを考えれば、外国からの影響で形を変えてきたことがよく分かる。日本の民主主義は外部(GHQ)から主導されたものであるとはよく言われるが、図書館の発展史においてもその感は否めない。江戸時代より前、日本の文庫は政治権力者のものであり、明治以降は様々な文人の尽力があったにもかかわらず、政府の介入により民主的なものに発展することができなかった。今「図書館の自由に関する宣言」では権力に左右されないことがうたわれているが、これをなすためには図書館職員が図書館に権力介入を許した歴史があることを知り、図書館の自由のために団結する必要があることを強く感じた。

 

講評など
コンパクトに良くまとめてあるが、戦後の発展史を追及するようにとのこと(確かに読み直してみると戦前の記述に量をとられている)。戦前と戦後を比較して図書館サービスの系譜を理解するようにとのことで、このレポートのメインはこの戦後図書館サービスの発展史を考察することにあったのかもという気がした。それから「製版」と書いているが「整版」が正しく、「富士麻呂」でなく「不二麻呂」と文字の間違いの指摘。また参考文献を記すようにとの注意もあった。が、実はこの教科参考文献をほとんど読まずに書いてしまったのだ。テストに間に合わせようとあせって書いたこともあるが、読み返えすほどに不出来さが気になるレポートになってしまった。よくこれで合格させてくれたものだ。これ以降はなるべく参考文献でレポートを肉付けするようにした(児童サービス論では逆にこれが仇となったのだが)。

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