
通信制大学について詳しく知りたい人は↓
通信制大学は、忙しい社会人や家庭を持つ人々にとって勉強しやすいメリットの多い大学です。また、通学制の学校になじめなかった人にとっても自分のペースで学べる通信制大学のシステムは大きな魅力になります。しかし、人によっては通信制大学のシステムにデメリットを感じる場合もあるかもしれません。
この記事では、通信制大学のメリット、デメリット、そしてどのような人が通信制大学に向いているかについて詳しく解説します。

学費が比較的安い
通信制大学の大きなメリットの一つは、学費が通学制の大学に比べて圧倒的に安いことです。
例えば、放送大学の場合、卒業までに必要な学費は約77万円とされています。
www.ouj.ac.jp
じゃあ通学制大学にはどのぐらいの学費がかかるのでしょうか。
参考になる資料が、文部科学省が出している「国公私立大学の授業料等の推移」という資料。
https://www.mext.go.jp/content/20211224-mxt_sigakujo-000019681_4.pdf
表の中の数字は入学年度のものですが、令和3年度で国公立の授業料が50万円台、私立だと90万代です。他に入学料もかかります。国立で80万台、公立で90万台、私立だと入学年度だけで100万越えです。
単純計算すれば、通学制の大学に一年通う学費があれば、放送大学は卒業できるということになるでしょう。
さらに通学制の大学では、学費のほかにアパート代などの生活費も必要となります。通信制大学は基本自宅で学ぶので、スクーリング時の宿泊費などを除けば生活費はかかりません。
自由な時間帯で学べる
通信制大学のもう一つの大きなメリットは、学ぶ時間を自分で決められる点です。
これは、働きながら学びたい社会人や、育児や介護などで時間が限られている人にとって理想的な学習形態です。
朝早くから深夜まで、自分の都合に合わせて勉強を進めることができ、通勤時間や昼休みなどの隙間時間も有効に活用できます。
夜勤の人、シフトが不安定な人、スポーツや演劇など若いうちに力を入れたい活動をしている人にとっても、自由な時間帯で学べる通信制大学は非常に便利です。
人間関係のストレスが少ない
通学制の大学は、一般教養課程では割と多くの人と触れ合えるのですが、学年が進むごとに人間関係が濃厚になる部分があります。
研究室に所属すると、研究室内の先輩後輩と顔を合わせる機会は多いですし、ゼミの人間関係にストレスを感じることもあるかもしれません。卒論においては担当教授との打ち合わせが必須になります。また飲み会や交流会もあります。
研究室との相性が悪くて、不登校気味になってしまったり、卒業が遅れたりする人も見てきました。私自身も決して研究室と相性が良かったわけではないので、その気持ちはよく分かります。大好きな勉強をしたくて研究室を決めたのに、人間関係のわずらわしさで勉強ができなくなるのはつらいことです。
サークル活動のトラブルも難しいものです。大学入学時はテンションが上がり、よく分からないサークルに勢いで入ってしまいあとで困ることもあるかもしれません。
通信制大学ではその心配はほとんどありません。通信制大学では、学習に集中できる環境が整っており、人間関係の煩わしさがないため、自分のペースで学ぶことができます。
対人関係に不安がある人にとって、通信制大学のこのメリットは非常に大きいでしょう。
地理的・学力的制約がユルイ
通信制大学は、全国どこに住んでいても受講が可能です。
地理的な制約がなく、地方に住んでいる人や海外に住んでいる人でも、希望する大学に通うことができます。
さらに、多くの通信制大学では、入学試験がなく書類選考のみで入学できるため、学力に自信がない人でも安心して入学することができます。
全国に名の知れた有名大学が通信制課程で学生を応募していることもあります。通学制ではとても入学できないような大学でも、通信制課程なら書類選考をパスできる可能性はあります。
例えば慶応義塾大学にも通信制課程があります。
www.tsushin.keio.ac.jp
家庭の事情で下宿ができず、憧れの大学に入学できなかったという人は通信制課程がないかどうか調べてみるのも良いですね。

意志が弱いと挫折しやすい
通信制大学のデメリットの一つは、自分で学習計画を立て、自主的に勉強を進める必要がある点です。
自分のペースで学べるというメリットがある一方で、逆にその自由さが足を引っ張り、「今日は休もう」と学習を後回しにしてしまうことも多々あります。
同級生や先生の目もないため、サボりから抜けるきっかけがなかなかつかめないのが恐ろしいところ。
意志が弱いと挫折してしまう可能性が高いため、自己管理能力が求められます。
人間関係の構築が難しい
通信制大学では、人間関係を築く機会が限られています。
通学制の大学では、キャンパスでの交流やサークル活動を通じて友人を作ることができますが、通信制大学ではそのような機会が少ないのがデメリットです。
煩わしい人間関係に悩まされなくてラッキーと思う人もいる一方で、友達を作るのが難しく寂しいと感じる人もいるかもしれません。
とはいえ、学友会(各地方で行われている通信制大学生の自治組織)やSNSなどオンラインのコミュニティを活用することで、人脈を広げることも可能です。
またスクーリングに積極的に参加すると話し相手を見つけやすいですよ。
就職サポートが不十分なときも
通信制大学は、就職サポートが通学制の大学と比べて弱い傾向にあります。
特に、高校から直接通信制大学に進学した若者にとっては、就職活動のサポートが十分でないと感じることが多いかもしれません。
既に仕事を持っている社会人向けのサポートが主流であるため、新卒での就職を目指す人には不向きな点もあります。
しかし、通信制大学の中には就職サポートを売りにしている大学もあります。大学卒業後に就職を考えている人は、入学前の段階から就職サポートが充実しているかどうかを意識してください。
実習や資格取得に時間がかかる
資格取得を目指す場合、通信制大学では実習が必須となることがあります。
通学制の大学では付属の施設でまとめて実習が行えることもありますが、通信制大学では基本自分で実習先を探さなければならないと考えてください。
実習先への打診、申し込みなどを自分で行わなければならず、また単身で実習先に出向く覚悟も必要です。場合によっては実習先を見つけるのに苦労する場合もあります。
できれば入学前に実習先のあたりはつけておきたいもの。出身校の元担任の先生などにそれとなく実習申し込みが可能か聞いてみるのも手ですよ。

通信制大学に向いている人の特徴をまとめました。
自己管理ができる人
通信制大学に向いている人の特徴として、まず挙げられるのは自己管理能力が高いことです。
自由な時間に学べるというメリットを活かすためには、自分で学習計画を立て、それに従って学習を進める意志が必要です。
夏休みの宿題を早めに済ませていた、提出物は数日前に出す習慣が身についているなら、通信制大学に向いている人といえるでしょう。
働きながら学びたい人
通信制大学は、働きながら学位や資格を取得したい社会人に非常に向いています。
通学の必要がなく、仕事と学業の両立が可能な点が大きなメリットです。
さらに、忙しい日常の中でもすきま時間に学べるため、まとまった時間は確保できなくとも学習意欲の高い人にとっては理想的な選択肢です。
人間関係に悩みたくない人
人間関係にストレスを感じやすかったり、他人と頻繁に会うことが苦手なら、通信制大学に向いている人と言えるでしょう。
学習に集中でき他人との煩わしい関わりを避けられる点が、通信制大学の大きなメリットです。
自分のペースで落ち着いて勉強したいなら、通信制大学は良い選択肢だと思います。
地理的に制約がある人
通信制大学は、全国どこからでも学べるため、地理的な制約がある人に向いています。
特に地方に住んでいる人や、海外に住んでいる人にとって、通学の負担がない通信制大学は非常に便利な選択肢です。
通信制大学には遠方からでも自宅で学べる環境が整っているため、アクセスに困ることはありません。
ただし、学校によってはスクーリングやテストで一部通学が必要なことがあります。最近ではオンラインで完結する通信制大学も増えていますが、どのぐらい・どこに通学が必要かは事前調査しておきましょう。

最後に、通信制大学に入ってから後悔しないためのポイントを紹介します。
学習目的を明確にする
通信制大学に入学する際には、何を学びたいのか、なぜ学ぶのかといった明確な目的を持つことが重要です。
目的がはっきりしていれば、モチベーションを維持しやすく、サボりたい気持ちを抑えることができるでしょう。
どうして通信制大学に入学するのか、卒業してどんな自分になりたいのか、入学前に明確にしておくことが通信制大学で後悔しないための第一歩です。
また目的をしっかり満たせる大学を選ぶことも大事です。
例えば教員免許ですが、大学に教員免許過程を置いているところと、一部の科目しか開講していないところがあります。後者はすでに教員免許を持っている人向けの大学です。0から教員免許を取りたいのに、一部の科目しか開講していない大学に入学してしまっては後で後悔するでしょう。
自分の状況と目的にあった大学選びは、とても大事です。
無理のない学習計画を立てる
通信制大学では、計画的に学習を進めることが求められます。
スケジュールを立て、無理のない学習時間を確保できるように努めましょう。
とくにテストとスクーリングは日程が決まっているので、無計画に勉強していると後で後悔することも多くなります。
まずはどれぐらいの年数で卒業したいのかを決め、そのゴールのためにはどのように学習を進めていけばよいのか具体化していきます。
一人で計画を立てるのが難しい場合は学校に相談すれば力になってくれます。
サポート体制を確認する
通信制大学を選ぶ際には、学習や就職のサポートの充実度を確認することが重要です。
オンラインでのサポート体制や、学習センターの利用可能性をチェックし、どのような形で相談に乗ってくれるのかを見ておきましょう。
必要に応じてサポートを受けられる環境を整えることが、後悔しないためのポイントです。
学友会や地方での学習センターも活用出来ますよ。
まとめ
通信制大学には多くのメリットがあり、特に自由な時間帯で学べる点や、学費の安さは大きな魅力です。
一方で、自己管理能力が求められることや、人間関係を築く機会が少ないといったデメリットもあります。
自分に合った学習スタイルを見極め、目的を持って通信制大学に取り組み、後悔のないようにしましょう。
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