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スティーブン・キングの初期作、『呪われた町』を読みました!
本文読む前にちらっと、あとがきに目を通したら「キャリーをキングの代表作として推薦するファンはいないだろう」的な部分があり、「いやいや、キャリー好きなんだけど!」と思いつつ、読んでみて…。
確かに、キングらしいのは『キャリー』か『呪われた町』か、と言われたら、それは確かに『呪われた町』の方かなというのが読了後の感想です(でも好きなのはやっぱり『キャリー』の方かな)。
ホラーですが、怖い!というよりは冒険もののようなハラハラ感がありました。物語前半はゆっくり進むのですが、下巻は一気読みがおすすめです!
あらすじはこう。
田舎町「セイラムズ・ロット」にはかつて持ち主が自殺したマースティン館という館が残っていました。長年持ち主がいなかったこの館を、ストレイカーという男が買い取ります。不動産屋に提示された条件は「館を1ドルで売ること」「代わりに今後値上がり間違いなしの土地の権利書を譲ること」「この取引をだれにも口外しないこと」。やがて屋敷には、得体のしれない大荷物が運ばれます。
そして、町では事件が起こり始めます。墓地には犬の死骸がつるされ、幼い兄弟の失踪事件が発生。しばらくして姿を現した兄は、その後悪性貧血で入院し、そのまま死亡します。
故郷に戻ってきた小説家のベンは、怪奇趣味を持つ頭の良い少年マーク、老教師マット、医者のジミー、キャラハン神父らとともにこの怪異に立ち向かおうととしますが…。
少年(少女)が怪奇や悪に立ち向かう構図は『IT』『シャイニング』『ファイヤースターター』そのものであり、館の怪異はそのまま『シャイニング』。そして町全体を飲み込む悪意は『ニードフル・シングス』の原型。確かに、キングらしい初期作でした。
しつこいぐらいの町の人々の描写もキングあるあるですよね。ただ登場人物がすごく多いので、初めてキングを読む人は戸惑うかもしれない。そういう意味では人に進めるなら『シャイニング』から入るのがおすすめかもしれません。怖さとしても私は『シャイニング』の方が怖かった。ただ後半のスピード感は『呪われた町』の方があるように思いました。
もともと私はキングの中では『ニードフル・シングス』が一番好きです。庶民の中の小さな悪意が集まって爆発するような感じがたまらなかったので、『呪われた町』を読んでいる時は既視感というか、懐かしさをとても感じました。『ニードフル・シングス』は現在絶版、家の文庫本もカビが生えちゃって処分せざるを得なかったので、本当は再販してほしい。キングの初期作は、『シャイニング』や『呪われた町』のようなメジャー本以外は日本で絶版状態なのが惜しい。Amazon見て『ミザリー』すら絶版?!ってなりましたからね。
キング50周年の今、文春はもちろん、新潮文庫の方でも再販してほしい。『クージョ』も『ファイヤースターター』も好きなんですが。