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4月の終わりに、THE FIRST SLAM DUNKを見てきた。
声優騒動の後、全く興味がなかった映画版だったが、あまりに評判が高く、TVでもSNSでも大絶賛。国をまたいで人気らしい。そこまで騒いでいると、ちょっと見たくなる。あと、映画の音楽をちょっと聞いたらなかなか良かったので…。
感動モノとしてはいいんだけど、スラムダンクとしてはシリアスすぎん?
OPの演出はめちゃカッコよかったし、試合の描写は良かった。
はっきり言って原作の内容を忘れていたので(小暮が3P撃ったの山王戦だと勘違いしてたぐらい)、はらはらしながら見れた。
ただ宮城の過去話が重すぎた。「かえってくんな」って言った相手が事故にあってほんとに帰ってこなくなるというベタな展開もどうなのか。これが、試合の間間に入ってくる。すごく盛り上がってくるときに入ってくる。
母との関係を修復し、死んだ兄と向き合うための山王戦、っていう描き方であり、映画自体はヒューマンドラマが主軸だった印象。それ自体は起承転結はっきりしていて悪くない。悪くないんだけど、じゃあスラムダンクかって言われると、「こんなんだったっけ?」となる。
ラストシーンで桜木と流川がハイタッチするところは、本当に名場面なんだけど、そもそも宮城が主人公の映画なのでラストを決めるのがこの2人なのはどうもちぐはぐな感じがする。
あと流川が全然目立たない。流川ファンというわけでは全然ないのだが、いくらなんでも目立たなすぎでは?パスしかしてないように見えるんだけど…。
宮城はラストでアメリカへ…。アメリカ行くのは流川では?ケガした桜木はどこへ?宮城は湘北のキャプテンになるはずでは?
どうもいろいろと納得いかなかったので、原作を再読することにした。
25年ぶり?ぐらいの原作再読
ほぼ25年ぶりぐらいの原作再読。当時は「お兄ちゃんたち頑張ってる」な感想だったのが、すっかり親目線、先生目線、監督目線で見てしまう。キャラの印象が全然違うなあ。
桜木花道が可愛すぎる
なにこの主人公。可愛すぎる。こんなに可愛かったっけ。なんだかんだで素直だし、真面目。自分に悪いところがあるってわかると、すぐに赤木に聞きに行くの可愛い。ケガした赤木が落ち込んでるの見て、「キングコング弟!」とか言い出すし、良い後輩すぎる。赤木もこれはかわいかったろうなあ。後輩でこんなのいたら、ごはんおごりたくなるわ。
父親が倒れたところの場面見ても、本当は親孝行な子っぽいし、安西監督もそうとう可愛かったろう。あのあと原作では父親に言及されてなかったけど、結局どうなったかは気になる。しかし、今の井上先生に続きを書かせると非常に暗い家庭環境になりそうなので、そっとしておいてほしい気持ちはある。
流川ってこんなにかっこよかったんだあ
なんとなくワカガマプレイヤーで、あんまりまわりとコミュニケーションとらない印象があった湘北のエース。
あれ、結構しゃべってる。
試合中も声かけあってるし、先輩にも敬語使えてる。
桜木に対してもぶっきらぼうだけどちゃんとアドバイスしてるし、バスケが好きな仲間には寛大なんだね。
そして、プレイが本当にかっこよかった。
私は豊玉戦の記憶ってほとんどなかったんだけど、あそこの話すごくおもしろかったし、ケガしながらもエースとして動く流川はすごかった。
けがの手当てしてから戻ってきて「あれやりましょうよ、俺たちは、ってやつ」のセリフもぐっとくる。
大人からわがままなプレイ、あれはよくないといわれながらもそのプレイスタイルで押し返す強引さはなかなか爽快だった。
なんとなく「忘却バッテリー」の清峰と似たようなイメージを持っていたが、全然違った。あっちの方が全然コミュ障。ごめんね、流川。
ちなみに忘却バッテリーもかなり面白いので、おすすめです(バスケじゃなくて野球漫画だけど)。
宮城は良いプレイヤー
宮城は、テクニカルで良いプレイヤーだと再確認。明るくてムードメーカーとしての役割もしっかりしてる。桜木とのコンビがほほえましい。やっぱり映画版よりも一見軽そうに見えるこっちのキャラの方がいいなあ。
赤木も成長してるんだ
怖くてキビシイキャプテン、というイメージだった赤木。しかし、今見ると彼も高校生。若いんだよね。仲間に恵まれ、ライバルに恵まれ、彼の成長も見られるストーリーになっている。桜木に期待して、なんだかんだでいろいろ教えているうちに、先輩、キャプテンとしての役割ができるようになってきているのが嬉しい。小暮とのコンビもよいし、三井とのコンビもよい。
三井って割とめんどくさいキャラだった
今も昔も人気の高い三井。3Pがかっこいいんだけど、再読すると、繊細でめんどくさい男っていう印象に。流川よりも三井の方が傍若無人にふるまってるよね。ただその中で過去を公開している揺らぎの描写が、すごいうまい。このむらっけが人気あるんだろうなと思わせる。
やっぱり水戸は大人ですね
昔の推しキャラ。再読してもやっぱりかっこいい。やたらに大人なんだよなあ。実際に花道の保護者枠だよね。合宿後の春子ちゃんとの会話シーンもよかった。春子ちゃんがあれだけ素直に本音(花道に嫉妬してる)って言えた相手、水戸だけじゃない?案外この二人もお似合いかもと思った。
山王戦について
あらためて山王戦は、湘北5人すべてにスポットライトが当たる試合だったんだと感じた。それぞれの過去が収束するまさに集大成。コミカルとシリアスのバランスも絶妙で、どのセリフもどの場面も無駄がない。試合前の描写も含め、7巻という長さがあっという間だった。仙道や魚住、清田、牧、登場人物の説明は要らないので、そのまま出して、原作を全くいじらずに映像化してほしかったなあ。もう一回、完全原作再現で映画やりません?