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ペリリュ─楽園のゲルニカ (ヤングアニマルコミックス)を読む

※この記事にはプロモーション(Amazonアソシエイト)が含まれています。

8月ー終戦記念の日が近づいてきましたね。

今年の8月は、本屋で一度見かけてから気になっていた「ペリリュー 楽園のゲルニカ」を読みたいと思います。

 

最初見たときは、あまりにかわいい絵なんで「この絵で戦争物を?」と思ってしまいました。

小説、映像を通して戦争を知ってきた中で、この絵柄は違和感があり、「悲惨な戦場をファンタジックに描かれるのもなんだか…」という気分でした。

 

ある時、電子コミックで1~3巻まで無料配信されていたので軽く読んでみたところ、最初の印象がガラッと覆されました。

 

この絵柄だからこそ逆に重く感じる戦争の悲劇性。

かわいいキャラクターだからこそ、悲惨な場面でもギリギリ読むことができる「新世代の戦争物」。

なにより、脱帽したのが「物語」としての面白さです。

まず、キャラクターがしっかり立っている。主人公の田丸は読者共感型、頼りになる身近なリーダー吉敷君、一癖ある小杉伍長、英語のしゃべれる温和な軍人入来上等兵などなど。このキャラクターならではの行動、というのが納得ある描写で書かれているので、感情移入しやすくなっていること。

またストーリーの作り方もうまかったです。米軍から食料を盗む場面の冒険活劇のような、スリラーのようなドキドキ感。そして、終戦後の「投降」をめぐる日本軍の中での戦争。米兵との悲惨な戦闘ばかりではない(もちろんそちらも丁寧に書かれてはいますが)、物語としての面白さがありました。終盤数冊は一気読みしてしまうほどでした。

 

「投降」をめぐる話は、Amazonレビューを見ると長すぎるという批判もあるようですが、私はここが一番本作の盛り上がるところだろうと思いました。実際メインキャラの多くは終戦後の投降をめぐるゴタゴタの中で死んでいますし…。戦後も戦争が続いた、というのは東南アジア戦線の大きな悲劇性を表していると思います。

ただ、読み終わった後「ペリリューの戦い」をエンタメ的に楽しんでしまうことへの罪悪感のようなものが芽生えてきたのは、この物語が良くできているからこその皮肉かなと思いました。

 

作者はペリリュー生き残りの証言者の一人から以下のように言われています。

 取材が難しい方もいました。「戦争を体験していないあなたがなぜ戦争をかけるのか。漫画というのは軽いと思う」といわれました。

武田一義さんが語る漫画「ペリリュー」 3頭身キャラで描く理由|好書好日

実際の体験者からしたら、当然の感想なのかとは思います。漫画にするということは、やはり娯楽作品として消費されるということでもあります。

しかし、体験しないと描けないとなると今後戦争経験者がどんどん減る中で、「戦争は永遠に描けない」題材になってしまうんですよね。

私たちは大河ドラマで戦国時代や幕末をエンタメ的に消費していますが、あれだって当事者から見たら死者への冒涜かもしれません。

 

しかしドラマや映画、小説、漫画になることで今まで知られていなかったことが世間に広がり、そこから反省が生まれることもあるのかもしれない。

まだ生々しい記憶を抱えて生きている人がいる題材を、エンタメ的なものとしてあつかうのはすごく勇気がいることだし、批判されることもあると思います。

その中で、「ペリリュ─楽園のゲルニカ」を書ききった作者はすごいと思います。

 

インボイス制度を簡単に解説。個人事業者とフリーランスは課税事業者になるべきか。




令和5年(2023年)10月1日からインボイス制度がスタートします。

 

インボイス制度、一般会社員にはあまり関係のない話かと思います。

 

しかし、事業者にとってはかなり大問題でして、この前の参院選でも「インボイス制度反対」を訴える党もありました。事業主といっても法人ばかりじゃない、実は個人事業主フリーランスにもかかわることです。

 

ただインボイス制度というのは結構複雑で、個人事業主フリーランスの中でも「よくわからないけどなんか怖い」「なんとなく2023年から仕事がなくなるかもしれない」という不安の中にいる人も結構いるのではないでしょうか。

 

私も超小規模ながら一応個人事業主フリーランス)なので、インボイス制度に対してはずっと不安でした。よってこの際だからと、色々調べてみた結果

 

制度がスタートしてもしばらくは免税事業者として様子見しよう

 

という結論になりました。

 

どうしてそうなったかという経緯をメモしておこうと思います。

※ちなみにこれは個人の見解なので、記事を読まれた方は丸ごと信じるのは避けてください。公的機関の参考URLなど記載していますので、自分で見て、自分で判断してください。

そもそも、インボイス制度とは

細かい税制は無視して、できるだけシンプルに説明してみます。

消費税というものがありますよね。これは、間接税なので、消費者が事業者に払って、事業者が国や自治体に納める仕組みになっています。

消費税の流れ:消費者→事業者→国・自治

しかし、事業者は免税事業者と課税事業者という2つの区分に分けられており、免税事業者は国や自治体に消費税を納めなくてもよいのです。ただ、それでも消費者に消費税を請求することはできます。

年間の売り上げが1000万円に満たない(つまり規模の小さい)事業者は免税事業者になれます。

現在の制度

ここに工場A(免税事業者)とメーカーB(課税事業者)があります。

メーカーBは工場Aから機械200万円を仕入れます。このとき、工場Aは機械に消費税を付けて220万円をメーカーBから受け取ることができます。メーカーBはこの機会を300万円で消費者に売りますが、やはりここに消費税を付けて330万の価格にすることができます。

工場A→(200万+消費税)→メーカーB→(300万+消費税)→消費者

さて、メーカーBは330万のうち、消費税の30万を国に納めなくてはなりません。しかし、工場Aからの仕入れ時に先に20万円分の消費税を払っているため、この分を控除して、

30万円-20万=10万

のこり10万さえ納めればOKということになります。

工場Aはそもそも免税事業者なので、20万円の消費税を納める必要はありません。

※実際は請求される税金の税額は10%ではないんですが、数字がめんどくさくなるので10%としています。詳しくは

No.6351 納付税額の計算のしかた|国税庁

No.6455 免税事業者や消費者から仕入れたとき|国税庁

インボイス制度導入後

先ほどとはちがい、メーカーBが仕入れに払った20万円の消費税を納税予定額から差し引くためには、インボイス(適格請求書)という特別な請求書が必要になります。子のインボイスは、課税事業者しか発行できません。

つまりメーカーBは免税事業者の工場Aから商品を仕入れると、消費税の控除ができず売り上げの10%をまるまる納めなくてはならなくなるのです。

メーカーBの納める消費税

以前:30万-20万=10万

インボイス以後:30万ー0円=30万

するとメーカーBは免税事業者の工場Aよりも課税事業者と取引したほうがお得になります。こうして、免税事業者の工場Aは次の3つから立場を選択しなければならなくなる、という流れです。

  1. 課税事業者になってインボイスを発行できるようにする。ただし消費税の納税義務が発生する。
  2. メーカBに対し消費税を請求しない(つまり220万から200万へ値下げする)
  3. 特に何もせず、メーカーBから取引を切られる

どのパターンになっても工場Aは不利です。フリーランス個人事業主の立場が悪化するというのは、こういう理由からです。ただし、私としては、この3つの選択肢にパターンが限られるのは、特定の免税事業者・フリーランスだけだと考えています。

 

そして、特定の免税事業者やフリーランス以外は、軽々に課税事業者になると痛い目を見るのではないか…。

その理由を説明するために、課税事業者になるメリットとデメリットをまとめていきます。

フリーランス、個人事業者などの免税業者が課税事業者になるメリットとデメリット

前提として今まで年間売り上げが1,000万以下であった免税業者は、手続きをすれば課税事業者になれます。課税事業者になるとインボイスを発行できる「インボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)」になれます。

※ただし、課税事業者=インボイス発行事業者ではありません。

インボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)」になる→一定期間内はそのまま課税事業者になる

とはいえ、現時点での課税事業者は自動的にインボイス発行事業者になるわけではないので手続きが必要です。

メリット

・課税事業者になるとインボイスが発行できるので、取引先からインボイス発行を求められたときに応じることができる。

デメリット

インボイスの発行義務が発生する

メリットで「課税事業者になるとインボイスが発行できるので、取引先からインボイス発行を求められたときに応じることができる」としましたが、正確に言えば「求められたら発行しなければならない」つまり発行は義務となります。

・消費税課税事業者になるから消費税を納めなければならない

単純に考えて500万売り上げていれば、50万円の消費税を納める義務が発生する(消費税10%としたとき)。仕入れ先からインボイスを集めて仕入れ控除をすることができなくはないが、それでもかなりの負担になる。

・消費税は前々年度の売り上げに課税されるから、前年や今年の売り上げが悪化していても前々年度の売り上げに応じた消費税を納めなくてはならない。

・一度課税事業者になるとその後は2年間免税事業者に戻れない

経理関係が複雑になる

課税業者になると税別取引での仕訳がややこしくなる

簡易課税方式(用届け出)をとると消費税の計算はしやすくなる。ただし、簡易課税方式を選択する場合、仕入れ事業者からインボイスを発行してもらう必要がなくなる。

フリーランス、個人事業者などの免税業者が免税事業者のままでいるメリットとデメリット

メリット

・消費税を納めなくてよい

経理手続きがややこしくない

インボイス発行の手続きがいらない

とにかく今まで通りいられるということです。

デメリット

インボイスを発行してほしい取引先に逃げられるかも

先に紹介した3つの選択肢のうちの3番ですね。おそらく、最も懸念されているのがこれでしょう。

ただし、本当に取引先が逃げてしまうのかはかなり大きな取引先をもっている免税事業者やフリーランスに限られるのではないでしょうか。

理由その1

インボイス制度が始まってから6年間は経過措置が取られるので、取引先に無理を言って今すぐ課税業者になれと言ってくる可能性は少ないのではないか。

参考:

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-15.pdf

理由その2

簡易課税方式をとっている事業者の場合は、インボイスがいらない。よって仕入れ先に課税事業者になってもらう必要がない。

参考:

www.jftc.go.jp

理由その3

免税事業者や個人との取引が多い人は、インボイスは関係ない。免税事業者や個人は消費税を納める必要がなく、インボイスなどいらないから。

理由その4

公正取引委員会が以下のように言っており、一方的な値下げ交渉は違法とされる可能性がある。

また、免税事業者等の小規模事業者は、売上先の事業者と比して取引条件についての情報量や交渉力の面で格差があり、取引条件が一方的に不利になりやすい場合も想定されます。このような状況下で、売上先の意向で取引条件が見直される場合、その方法や内容によっては、売上先は独占禁止法又は下請法若しくは建設業法により問題となる可能性があります。具体的に問題となりうる行為については、Q7をご参照ください。
 なお、インボイス制度の実施を契機として、売上先から取引条件の見直しについて相談があった場合は、免税事業者も自らの仕入れに係る消費税を負担していることを踏まえつつ、以上の点も念頭に置いて、売上先と交渉をするなど対応をご検討ください。

引用元:

www.jftc.go.jp

 

免税事業者が慌てて課税事業者になる必要がないと思う理由

結論として、「取引規模の小さい免税事業者(私)は慌てて課税事業者になるべきではない」と考えられます。

 

課税事業者になると納税義務はもちろん、もろもろの事務手続き(消費税の申告、インボイスの発行と保存、経費を払った際のインボイス請求)もややこしくなります。これは大きなデメリットです。

また取引先を失わないためには、課税事業者になる以外にも「消費税を請求しない(選択肢2の値引き)」という手があります。

例えば、個人との取引と法人との取引どちらも行っている人にとっては、個人とは今まで通り取引し、法人に対しては消費税分を減額して対応…とか。もちろん売り上げは減ってしまいますが、課税事業者になる面倒さに比べれば私はこちらを選びたいです。また交渉次第では10%減額ではなく、5%、3%などの値引きで取引を続けてもらえる可能性もあるでしょう。

 

もともとフリーランスなので、取引相手がどれだけ長期取引してくれるかわかりませんし、売り上げも不安定です。来年度の収入保障がないのに、前々年度の売り上げに課税されるのはとても不安です。

 

最後にもう1つ。最近の政府はとかくいうことをころころ変えます。

電子帳簿保存法だって土壇場になって「猶予期間」を設けたぐらいです。

インボイス制度をしっかり理解できている事業者がどのぐらいいるかわからないような状態で、この制度本当に無事にスタートできるんだろうかと私は内心思っています。

もしかすると、また直前になってインボイス制度の中身を変えてくるかもしれないですよね。そこで馬鹿を見ないように、慎重に様子見したいという気持ちがあります。

 

あわてて課税事業者になると、2年間は撤回できないのだし…。

 

ちなみに、街中のスーパーで買ったものなどはどうやってインボイスをもらえばいいのかとおもっていたら、簡易インボイスというのがあるらしいですよ。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/300416.pdf

 

以上、インボイス制度について思うことでした(あくまで私見です)。

すごく良い参考書を見つけた。【基本情報技術者試験】

by ぱくたそ

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しばらく前の記事で基本情報技術者試験について書きました。

あの時勉強に使っていたのは、基本情報技術者試験でベストセラーの参考書でした。

しかし、3分の1ほど読み進めたあたりからなんだかよくわからなくなってきました。コンパクトにまとまっていて、一見読みやすく感じるのですが、コンパクトすぎて「これってどうなってるの?」と理解が追い付かないところが増えてきたのです。この状態で過去問を解いても、手ごたえがなく…。1つ1つググって解決していましたが、手間がかかりすぎます。ほかにやることも多かったし、今年の受験はあきらめようかなと思っていました。

 

でも、春に大型書店に行ったとき基本情報技術者試験の参考書がほかにいっぱい出ているのを見たんですよね。もしかしたら参考書を変えたほうが良いのかもしれない、と思い「シン・ウルトラマン」を見に行くついでにまた本屋によってみました。

 

そこで出会ったのがこの本です。

 

辞書レベルに分厚く、「こんなの読み切れるかな」って感じだったのですが実際は無茶苦茶読みやすくて感動しました。簡単な例にたとえるのがうまいんですね。躓いていた問題がスラスラ頭に入ってきて、感動しました。長年参考書集めをしてきた人間としては、こういう勉強を一気に進めてくれる本と出合うとすごくうれしいです。この本は試験に合格することを最優先に書いているらしいですが、どうしてどうして、試験以外の面でもかなり役立ちそうです。IT系の作業をするにあたってなんとなくしかわかっていなかった様々な言葉が霧が晴れたように理解できました。

 

こういううまい説明ができる執筆者って憧れますね。

 

これで何とか今年の秋試験に間に合いそうです。読者サポートのための質問も受け付けてくれているので、今度困ったら質問してみようと思います。

朝井リョウ「正欲」を読んだ感想

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今期本屋大賞候補作に読みたい本が多かった。その中で、やっと読めたのが「正欲」だった。

 

 

読んでいて共感するところも多く…とはいえ、読み終わった後はなんとなくモヤモヤしてしまう本。ネット上のいろいろな感想を読んでみて、「なるほど」と違和感の正体も分かった気がしたので、書いておこうと思う。

ネタバレ感想

主人公たちは暗に肯定されているが…

この本は異常性欲にテーマを当てている。ただ、異常性欲にのみポイントを当てているわけではなく、正規ルートを外れた生き方をしている人全体をテーマにしているように思える。

 

本のあらすじから見えるテーマはこうだ。

昨今は、多様性が持ち上げられているけれど、それって一部の多様性にのみスポットを当てているだけだよね。世間が認めない範囲外の人は、結局つぶされるよね。

 

本作で異常性欲=水に対して性的興奮する3人の登場人物は、このような鬱屈した感情を抱えているが、仲間と出会ったことで「どんな感情を持っていても、どんな人間でもいていいんだ」という結論に達する。

 

しかし、同じ性的思考の人たちと水の動画を撮ったつもりが、メンバーの中に小児愛好者が混じっていた(しかもそのメンバーが児童わいせつ動画を大量に持っていたうえ少年と援助交際した過去があった)がために仲間と思われて警察に逮捕されてしまう。

 

「少年たちに性欲を持っていたんじゃなくて、水に興奮するんです」と言っても分かってもらえないため、誤解を受けながらも沈黙する…。という悲劇的な流れになるというシナリオ。

 

つまり、読み手側としては「水に対する性欲」を肯定しながらも「小児愛好者」は全否定するという仕掛けに乘らざるを得ない。

 

小児愛好者は社会的に認められないのは、対象が児童という保護してしかるべき存在だからだと思う。仮に児童が性的にみられることを承諾したとしても、NG。手を出した大人が悪い。これは社会的に見ても作品内においても大前提として存在する。

 

すると、話に矛盾が出てきてしまう。作品終盤でメインキャラの一人が出した結論「あってはならない感情はないし、いてはいけないという人はいない」という主張が根底から崩れてしまう。

 

だって、小児愛好者はいてはいけない存在になってしまうから。

 

この作品で「水」に対する性欲というちょっと特殊な性癖を登場させ、それを肯定するなら、その話だけでやればシンプルだった。無理に小児愛好者を絡めるべきではなかったかなと思った。テーマの焦点がぼやけてしまう。

 

あるいは、小児愛好者の苦悩をメインに書くか。でも小児愛好者が自己肯定感を持つ過程を書くのは相当難易度が高いだろう。世間にも受け入れらるかどうか。

 

ちなみに小児愛好者の話は、ずっと昔にナボコフが書いている。こちらを読んだときの衝撃と比べても(比べちゃいけないのかもしれないが)ちょっと物足りない。

八重子について思うこと

この本のメインとなる登場人物の一人、八重子は「男性が怖い」という悩みを持っている。今は引きこもりとなった元エリートの兄が「JK妹もの」のAV動画を見ていたことを知ってから、男性恐怖症になってしまったのだ。

 

しかし、同大学生の諸橋に対しては「女性を性的に見る視線を感じない」ことをきっかけに、恋心を抱き始める。

 

八重子の「男性が怖い」というのは、自信の容姿コンプレックス+兄への恐怖感からくるものなので、アセクシャル的な「恋愛できない」悩みとは違うように感じる。

 

諸橋には恋心を抱いたわけだし、終盤自身も「異性愛者」と言っているので、悩みを抱えながらも多数派に属する人物なのだ。

 

八重子は諸橋が周りから遠ざかっている姿を気にかけ、「自分も悩みがあったが周りとつながることで救われる」というメッセージを発する。途中までは諸橋が同性愛者と勘違いしている八重子だが、最後は小児愛好者と勘違いして終わる。

 

八重子は、マイノリティとマジョリティをつなぐ存在として描かれているようにも思う。諸橋から拒絶されても、関わることをあきらめない芯の強さはある。しかしマイノリティ側から見ると何となく好きになれないキャラクターでもあるのではないだろうか。

 

不登校の子に対して「学校は楽しいからおいで」と家まで押しかけてくる善意を疑わない教師の姿を感じてしまう。「自分はできたから、あなたもできる」というのは今悩みを抱えている人にとって一番押し付けてほしくない意見なのではないか。

 

+八重子が男性恐怖症になった兄の動画だが、勝手に部屋に入ってパソコンを見ているわけだ。男性兄弟がいる女性なら、勝手に兄弟の部屋に入って棚をあさったらいけない。というか異性間に限らず、ある程度の年頃になったら兄弟の部屋に勝手に入ってパソコンのロックを外してはいけないのである。

 

他のマイノリティ達について

この本には、性的マイノリティ以外のマイノリティも出てくる。それが、検事・啓喜の息子である。不登校という形でマジョリティルートを外れた彼は、小学生の不登校ユーチューバーに憧れて、「学校以外の生き方」をすると主張する。

父親は世の中そんなに甘くないというスタンス。しかし不登校仲間とともにユーチューブ投稿を始め、意欲を取り戻す息子、それを見守る妻との距離がだんだん離れていく。

 

未成年ユーチューバーが知らないうちに誰かの性的対象になってしまう、という危険性が示唆されているが、これはこれで重たいテーマだと思う。しかし、ここは結局掘り下げきれなかった印象。啓喜の態度も不登校の親としては非常にテンプレ型の頭の固さで、これについていけなくなった妻の浮気と破局という流れもアリがちに見えてしまった。

 

現代の不登校というテーマでもかなりひねれそうなんだけど。全体的にもったいないような気がする。

 

基本情報技術者試験:10進数小数→2進数、2進数→8進数、2進数→16進数の理由

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フリーの仕事がIT関係のものが多くなってきた。なんとなく用語を知っているだけでは物足りなくなってきたのでITパスポートでも受けようかと思ったけど、どうせ同じ値段ならもう少し詳しくて価値がありそうな基本情報技術者試験の方にしようと考え直す。プログラミングの復習もできそうだし…。

 

使っている参考書はこちら。

 

ネコちゃんイラストが可愛い。すっきりとまとまっていて勉強しやすい。

1つ困ったのが、解法の意味の解説がシンプルすぎてなぜそうなるのかわからないときがあること。数学好きとしては、理解できていない解法を丸覚え出来ない。

※その後別の参考書に乗り換え、ちらの参考書はサブとして使っています。新しい参考書については、こちらに書きました。

でもいろいろ調べても丁寧に解説している人が見つからない。仕方ないので、自分で考えた結果をメモしておく。

2進数の小数点以下の基数変換

例えば、0.75(10進数)を2進数に変換する。

0.75×2=1.5...※

0.5×2=1.0

小数点以上の数だけ拾っていけばいいので、0.11が答え。

今回は、なんでこれで小数点以下が2進数になるのか?を考えたメモを残します。

※より0.75=1.5÷2=1.5×2^-1=1×2^-1+0.5×2^-1...① 

赤いところは2^-1に変換できてないのでさらに計算する

0.5=1.0×2^-1だから①に代入して

0.75=1×2^-1+0.5×2^-1=1×2^-1+(1.0×2^-1)×2^-1=1×2^-11×2^-2

ちゃんと、2進数の小数点以下の形に表現できました。小数点以上の数は2進数として確立したから拾って、小数点以下の数はまだ2進数として表現できていないからもう一度2を掛けるってことだね。

2進数を8進数に変換する

2進数を3桁ずつ区切ると8進数に変換しやすいらしい。

0111 0111(2) 

3桁ずつにならないときは、頭に0を付ける。

00111 0111

3桁ずつ考えると

111=1×2^2+1×2^1+1×2^0=7

次に青のところなんだけど…青の最後の位0は2^3にあたる。つまり8進数でいえば位が上がるところになる。

フリーハンドだと絵が汚いなあ…。

11 0=1×2^2+1×2^1+0×2^0=6 

なんだけど実はこの式は

11 0×2^3=(1×2^2+1×2^1+0×2^0)×2^3のことだから6×2^3で8進数の1つ位が上がった数字を示しているんだね。

赤いところも同じ。 

001×2^6=(0×2^2+0×2^1+1×2^0)×2^6=1×2^6

答えは167(8)

2進数を16進数に変換する

この場合は4桁区切りになる。

0111 0111(2) 

011 1=0×2^3+1×2^2+1×2^1+1×2^0=7 

2^4=16なので、この4桁部分2^3以下が16進数の1の位にあたる。

次に16進数の1つ位が上がった部分の計算。

0111=0×2^3+1×2^2+1×2^1+1×2^0=7 

でもこれは本当は、

0111×2^4=(0×2^3+1×2^2+1×2^1+1×2^0)×2^4=7×2^4

のことである。 

2つの桁を合わせて77(16)

来年の目標を整理しておこう

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もう12月、今年もいっぱい頑張ったと思います。

 

現在、パート+フリーランスで仕事をしています。

2年前、職場で副業が解禁され、これを機にフリーランスの仕事に本腰を入れることにしました。

 

それから2年がたち、ありがたいことにフリーランスの収入が徐々に伸びています。

そこで、現在パート7、フリーランス3だった時間配分を、4:6ぐらいにひっくり返すことを考えています。

来年は、パートの時間を減らしてみようと思います。

もちろん、フリーの仕事はいつも契約があるとは限らないため、一気に収入ダウンする可能性もあります。

しかし、仕事をしていて、おもしろいのは、やりがいがあるのは断然フリーの仕事の方なのです。

また、現在はリモートでできる仕事がたくさん出てきています。今手掛けているものだけではなく、別の仕事にも興味がある物が山ほどあります。スキルを身に着けつつ、いろいろな物に挑戦していける来年にしたいです。

 

さしあたって、来年に挑戦したいことを書いておこうと思います。

電子書籍出版

Amazon kindleでの電子書籍を出版したいと考えています。FP試験のノウハウ本や、副業関係の本、金融教育の本などを出したいです。

Webコーディング勉強まとめ+ポートフォリオづくり+簡単なものでもいいからお仕事受注

現在教材への挑戦が中途半端になっているので、これを完成させポートフォリオを作りたいです。Web系の勉強はずっと続けているので、もう少し仕事に近づけたいです。

VBA復習+ポートフォリオづくり

VBAもずっとやっていて、実際仕事にも役立っているので「こういうことできます」というアピールがしたい。おそらく、コーディングよりVBAの方が向いていると思います。パワポの扱いも学習したので、広くオフィスソフトでつかえるVBAを身に着けたい。

パワポのお仕事をやってみる

今年ちょっとしたきっかけから初めてパワポ触って、「おもしろ~い」ってなりました。その後操作を学習しまして、また「おもしろ~い」になりました。パワポでの学習教材づくりや、パワポ作成代行の仕事などを受注したいです。

Scratch作品作り

Scratchの作品が中途半端になっていたので、これを完成させたい。プログラミング教育の道も楽しそうなので、頑張りたいです。

ネット家庭教師

やっぱり勉強を教えるのが好きなんだなあと実感した今年。ライターの仕事でもネット家庭教師を調べる機会がありまして、もう一度家庭教師に挑戦したくなりました。遠隔での教育が注目を浴びる昨今ですから、フィールドも広がっているように思います。


フリーランス保険の検討

フリーランス系の保険に入ろうと思います。収入のバランスでフリーの仕事が大きくなる以上、万が一には備えたいものです。現在はフリーナンスが魅力的に感じています。

 

今手掛けているフリーでの仕事と投資は引き続きやっていきたいです。今年の投資市場は散々でしたが、なんだかんだで売買損益は+になっているので…。抱負は「欲をかかない」ことですかね。

 

ここに書いたどれだけが実現できるか分からないですが、充実した来年となることを願って…。

 

『ヒトラーユーゲントの若者たち』を読んで…。「人が本当に死ぬのは人に忘れられたときだ」

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『あのころはフリードリッヒがいた』『アドルフに告ぐ』などナチス関連の書籍を時々読むのですが、今回はこちらの本を図書館で偶然見つけました。

 

 

ヒトラーユーゲントの若者たち 愛国心の名のもとに』S.C.バートレッティ著 林田康一訳

児童書の棚にあったので、一応児童書?アメリカの元教師が書いた、ヒトラーをあがめる少年部隊「ヒトラーユーゲント」のお話です。

読んだ感想を少し記録しておこうと思います。

子どもの洗脳

著者はヒトラー政権下で生きた人ではなく、様々な調査によってこの本を書いていますので、『あのころはフリードリヒがいた』のような生々しさは極力抑えられているように見えます。残忍な描写はありますが、客観的な立場で書かれているので途中で読むのが耐えられないということはなかったです。(『フリードリヒ』のリヒター三部作は、読んだ後の虚無感がひどかった。)

されど、ヒトラーが子どもたちの気持ちにいかに取り入っていったのか、という部分には恐怖心を覚えざるを得ませんでした。

 

経済危機の中の、大人への不信感を利用され、「未来は君たちが作るんだ」と呼びかけられて高揚感を得る子ども達。キャンプやスポーツ、ゲーム、カッコいい制服、武器の数々に魅了され、仲間意識を強めるうちにいつの間にかヒトラーの信望者に仕立て上げられていく。

 

ヒトラーの恐ろしいところは、このように人の心に付け込むのが無茶苦茶上手いところです。仮に彼がこの世にいたら、SNSを駆使して大きな人気を得ていたでしょう。

 

普通の人たちが、占領地の家族を追い出し、ユダヤ人の虐待に自主的に参加するというおぞましい真実。「流される」ことは、実に恐ろしい。愛国心、国のためというのは魔法の言葉でそのためにはすべてが許される。

ナチスに動いた若者

ただ、この本では反ヒトラー勢力として動いた若い学生の活躍も良く書かれています。自分の頭で考え、大人の指示ではなく自らの意思でナチスに抵抗した彼らは、本当にすごい。また、軍が巨大な権力を持つ状況にありながら、「高齢者の安楽死」には多数の市民がこぞって反対し、ヒトラーの意思を折ったという事実にも感嘆しました。

ドイツ兵は捕虜になれる

さて、ドイツはロシアの寒さに圧倒され、だんだん戦況が不利になっていきます。最終的に連合国軍に負けるドイツですが、ヒトラーユーゲントは最後までヒトラーを信じて戦います。しかし、戦車の大群が迫った時、彼らは降伏します。

 

SS装甲師団長、クラースは部下の若い兵士に最後の挨拶をします。

捕虜になっても、またドイツ再建の際にも、同志としての友情の精神を持ち続けることによって、亡くなった同志たちの記憶を大切にしつづけてほしいと頼んだ。

ヒトラーユーゲントの若者たち 愛国心の名のもとに』S.C.バートレッティ著 林田康一訳 P194より

 

 

あれほど愛国心に固まったドイツ人でも、捕虜になることを受け入れているんですね。日本兵は自決のイメージが強いので、捕虜になるという結末が逆に印象的でした。

ヒトラーはいつ死ぬのか

本書とはあまり関係ないのですが、ヒトラー関連の本を調べると山ほど出版されているのが分かります。

「人が死ぬのは人に忘れられたときだ」という考え方があります。

 

漫画「ワンピース」Dr.ヒルルクの名言が有名ですが、元ネタがあるとかも聞きます。他の漫画でも時々登場しますね。

 

私は時々思うのですが、もしこの考え方で行くと悪名の高い人間ほど、長生きなのではないでしょうか。

 

前項よりは悪行の方が忘れられないもの。特に、ヒトラーは歴史上最大級の虐殺を行った人物です。フィクション、ノンフィクションに関わらず、様々な作品が作られています。この先長い間、人類は彼の名を忘れることはないでしょう。

 

忘れられたときが本当の死なら、ヒトラーはいつ死ぬのでしょうか。

 

 

※ちなみに、Dr.ヒルルクのあのシーンにはとても感動しましたし、「ドラム王国篇」はワンピースの中でも大好きな話です!「ワンピース」を批判しているわけではありません。

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